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ローカライズで英日Webサイトを制作する際に必要な8つの視点とは?

ローカライズで英日Webサイトを制作する際に必要な8つの視点とは?

英語のWebサイトをローカライズして日本語Webサイトを作る。言葉で言うのは簡単ですが、そこにはケアすべき様々な諸問題があります。

そもそもローカライズ=翻訳とする考えは間違っています。ローカライズも翻訳の一種だという意見もありますが、2つの言葉が意味するところは似ているようで全然ちがうものです。

ここでは、ローカライズが意味することを解説するとともに、私たち(Vann Inc.)が行ったローカライズ・プロジェクトから得た学びを「英日Webサイトを制作する際に必要な8つのポイント」としてまとめました。

※Vannのローカライズ・サービスについて、資料はこちらからダウンロードできます。

ローカライズとは何か?(翻訳との違い)

ローカライズは、「特定の国で作られた文章を外国人に届けるために翻訳すること」といった解説や、マーケティングやブランディングの観点をもち、意向をくんでメッセージをつくる必要があるといった説明を目にします。

確かに言わんとすることはわかるのですが、ローカライズの本来の意味は「その土地に合わせる/最適化する」。ローカライズは言語の話では終わらないのです。

まず言語の話だけで指摘すると、翻訳の場合、たとえば英語から日本語に変換するといった作業を指します。これを最初の説明にそって“ローカライズ”する場合、最適なメッセージにすることを意味しますが、これでも不十分な場合があります。

それは原文自体が、その土地に合わない場合。この場合は、原文をある意味で無視して、別の最適な表現を探す必要があります。

さらにWebサイトのローカライズの場合、その国特有のデザインやUI/UXが存在します。さらに、それは業種によっても特徴があり、同じ国の似た業種のサイトをユーザー側もイメージしている場合があります。

ローカライズは、言語と言語以外のデザイン・UI/UXもふくみ、その国に合わせるため翻訳とは似て非なるものだと言えます。

ローカライズのむずかしさ

先ほど「原文を無視する」と言いましたが、これは大袈裟に聞こえるかもしれません。しかし、英語から日本語に翻訳する際に、翻訳しなくても文章全体で意味がとおることはよくあります。

その場合、必ずしも翻訳は必要ありませんし、必要であれば別の文章を追記することでユーザーとよりよいコミュニケーションをはかることもできます。

ただ、これをローカライズを行う制作会社側が勝手に行うことはできません。いくら意味がとおると言っても、クライアントの意向とすり合わせが必要です。

ローカライズのむずかしさは、ここにあると言っても過言ではありません。

機械翻訳の精度が上がってきたいま、クライアントとうまく認識を合わせながらベストなローカライズを行う、そのコミュニケーション力こそ求められている能力なのです。

英日でWebサイトをローカライズ・制作する際に必要な8つのポイントとは?

ここではVannが過去に手がけた英日のWebサイト・ローカライズを例にあげて、制作にあたって必要な8つのポイントをお伝えします。

なお、Vannの実績は以下から確認ができるので、ぜひチェックしてみてください。

Vann:「新しいWORKS:Tractable 世界初のVisual AIユニコーン企業

コミュニケーション能力

先述した通り、クライアントの意向をうまくくみながらアウトプットに落とし込んでいく能力が必要です。これはどんな仕事においても重要ですが、ことローカライズにおいては現地の感覚に合わせた最適な提案で、かつ担当者が納得するアウトプットが求められます。

0からつくる新規のWebサイト・コンテンツではないため、制作側としてはプロジェクト開始当初から、関係者の認識を合わせるためにサンプル・コンテンツを用意したり、ガイドとなる参考サイトを提示するなど工夫が必要です。

さらに細部のすり合わせには、次章で語る編集方針のすり合わせが必要となります。

編集方針のすり合わせ

「編集」と言うと粒度が大きいのですが、以下のような諸問題に関する話です。

  • どんな文体にするか?
  • 文節・文章の長さや改行の頻度はどれくらいか?
  • 専門用語をどう訳すか?
  • 積極的に使用したいキーワードは何か?
  • NGとなる言葉はどれか? etc.

これらの認識を統一するために、スタイルガイドと呼ばれる編集方針をとりまとめた文書を作成して、あらかじめクライアントとすり合わせる必要があります。

※スタイルガイドは本来、デザイン関連の制作物で使われるものですが、Vannではローカライズの際に使うガイドに対して、便宜上この言葉を使っています。

チーム体制の構築

まずはクライアントとインターフェースとなる社内メンバーとの間で、全体のボリュームをあらかじめ取り決めます。その上で、そのボリュームに応じて最適なチーム体制を整えることが重要です。

Vannの場合、チーム体制はプロジェクトリーダーの他にディレクターが存在して、編集者や翻訳者、ライターが必要人数アサインされます。

これらのメンバーがオペレーションを円滑に行えるように、ルールを作り、運用にのせていく体制づくりが重要なのです。

チーム内オペレーションのルール決め

ルールを決める上で肝心なことは、「誰が見てもわかりやすい」ということです。

たとえば着手から納品までのフローを明示することもそうですが、先述したスタイルガイドしかり、メンバーが迷った時に参考にする情報はわかりやすいものである必要があります。

また、クライアントからのフィードバックを受けて修正→クライアント確認の流れを最短にするために、VannではGoogleドキュメントの活用をルール化しています。

Googleドキュメントでオンライン同期した上で修正履歴を残し、仮にクライアントのフィードバックが二転三転しても、リカバーできるようなルールをあらかじめ作成しておくのです。

スケジュール調整

スケジュール策定は、ある意味でクライアントとの共同作業です。クライアントのフィードバック次第で、全体スケジュールが変わるため、常にスケジュールをひきなおし、調整する力が求められます。

ローカライズの場合、英語から日本語コンテンツに翻訳された表現をクライアント社内で複数人がチェックすることが多いです。そのため、担当者がOKを出したものが最終決定者でNOとなることもあります。

こういった事態がつづいた時に、最終納期を曖昧にせず、クライアントと一緒に最短スケジュールを再調整することは大事なポイントです。

クオリティの担保

ローカライズにおいて、コンテンツのクオリティを担保することも大事なポイントです。

翻訳者やライターの能力が高いと言っても、ヒューマンエラーは想定しなくてはなりません。別の翻訳者による翻訳文章のクロスチェックや、編集者による編集チェック、ディレクターによる最終チェックによってクオリティを担保する必要があります。

また、これは忘れがちなことですが、専門性の高いテーマの場合、事前に翻訳するうえでの背景知識を共有しておくこともクオリティを保つ上で重要です。

ユーザー像とコアバリュー

本当は最初に話してもよい事柄ですが、ローカライズの対象(ユーザー像)を明確にすることと、その人に対してクライアントが最も価値を提供できること(コアバリュー)を明確にすることも大事です。

なぜこれが大事かと言うと、前者はクライアントのコンテンツを届けるべき対象を知ることで、アウトプットの表現に差が出るため。そして後者はクライアントの価値を理解することで、どのようなメッセージやコンテクストを設計すればよいかを理解するためです。

ユーザー像とコアバリューを最初に確認して、文字通り的を得たコンテンツをつくることは、ローカライズにおける大きなポイントです。

オリジナルコンテンツの提案

既存のコンテンツをローカライズしたからといって、クライアントの事業が成功するわけではありません。さらなる成功に導くためには、オリジナルコンテンツを提案する必要があります。

つまり、翻訳の必要がない現地のコンテンツ企画・制作です。

ここまでで8つのポイントをお伝えしましたが、つづいて翻訳サービスではなく、ローカライズサービスであるべき理由を語ります。

翻訳サービスではなく、ローカライズサービスを選ぶべき。

「​​ローカライズと翻訳のちがい」でお伝えした通り、端的にいえば「言語の翻訳で終わらず、クライアントのサービス自体を現地に合わせていくローカライズを選ぶべき」で話は終わります。

ただ、付け加えるなら、8つのポイントの最後でお伝えした「オリジナルコンテンツの提案」も重要です。ローカライズの本来の意味が「その土地に合わせる/最適化する」である限り、その土地の人々に対してオリジナルコンテンツを継続的につくることは重要です。

もっと言うと、コンテンツに限らずマーケティング・ブランディング双方の観点からさまざまな施策を打つことはクライアントの事業成長のために欠かせないこと。これらを総称してローカライズと呼ぶなら、間違いなくローカライズサービスを選ぶべきです。

※この文章は、特定の翻訳サービスに対して書かれたものではありません。あくまでクライアント視点に立った際に、翻訳だけで終わらないローカライズサービスの方がよいといった主張です。

ローカライズを下支えするもの

最後に、8つのポイントには入れなかったのですが、ローカライズを下支えする大事なものとして「オーナーシップ(当事者意識)」を挙げます。

時にクライアントの担当者は50点だと思っても、納期の関係などで及第点として「OK」を出すことがあります。あるいは、早くローカライズプロジェクトを終わらせたいと、「OK」を出し、最後にひっくり返るケースもあります。

スピード・クオリティの双方で高みを目指しつつ、よいバランスをとりながらローカライズ・プロジェクトを完遂するためにも、関係者全員がオーナーシップをもつことが重要です。そして、これこそローカライズを下支えする大事なものなのです。

※Vannのローカライズ・サービスについて、資料はこちらからダウンロードできます。

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